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Bagunca⑮『判断のスポーツ』 [メッセージ]

ある時から私は『サッカーは判断のスポーツ』という見方をしている。
子供たちにも『見る→考える→判断する→行動する』のサイクルを大事にするようにということを、このような表現方法ではないけれども、ことにつけ意識して話すようにしている。 はらだみずきさんの小説 「サッカーの神様をさがして」の中に、こんな一説がある。

サッカーで大切なのは、いかに速く走るかではなく、いつ走るかだと。
身体的なスピードではなく、考えるスピードが大切なんだってね。
ときに身体的な能力に勝るものが、サッカーには存在するという意味だと僕は理解した。だとすれば、ピッチ上で役に立たない者などいない。 そういうことだと思う。

良く思うのは、小学生用のピッチは大体縦が6/70mで小学生だと早い子で10秒くらいで移動できる。 ということは5秒あればゴールラインからハーフウェイラインまで移動できるということ。 であれば、もし相手よりも1秒判断が早ければ、状況を見た瞬間に次の行動を判断して動き出すことができれば... 足が速いとかいうことよりもそのことは応用範囲がとんでもなく広いその子の武器となりチームにとってこの上もない力になるのではないかと考えてたりもする。
足の速さや体の大きさというのは生まれつきというようなもの、親からもらったというものに依存している部分もおおきいかもしれないけれども、判断の速さ、考える力みたいなものは確かに潜在的なものもあるかもしれないけど、足が速いということよりも、考え方や訓練で進化する度合いが大きいのではないかと思っています。
だから練習中も見ること、見て次を考えること、そのことに注力した声掛けをすることが多くなっています。

低学年でゲームを行うと必ずといってほど団子サッカーになります。 高学年の試合を見るのに慣れてしまうと団子サッカーと出会うと新鮮な感じと可愛いらしさを感じることがあります。 団子サッカーを続けてると、団子には満足できず、妙に白けて団子を外から涼しい顔で見ている子がでてきます。 『こんなみんなで突っ込んでいっても疲れるだけだぜ...俺はこぼれた来たボールを楽に奪い取ってゴールまで攻めあがってやるさ...』みたいな心の声が聞こえてきそうな子供です。 私はこのような子の行動を大事にしたいと思っています。 状況を考え自分のポジションを自分で作り上げているということをすごく大事にしたいと思っています。 気づかないと、『なんでさぼってるんだ、ボールを追いかけていないのはお前だけだぞ!』と声をかけて、みんなといっしょにボールを追いかけることをよしとするコーチも方もいるのですが、私はサッカーは11人で同じことをしても仕方がなく、このように自分の役目を自分で作り出せるような子を大切にし、その子に如何に成功体験的なものを与えて、他の子にも気づいてもらえるのかという環境を作り出すことを考えることにしています。 その環境を作り出し、少しでも多くの子が『気付く』ということをしなければなりません。
無理やり教えられたものは忘れたりすることも多く、見につかないことも多いのですが、自分で気づいて自分で取得したものはなかなか自分の中からでていくこともないものではないでしょうか。 だから、自分で気づいて自分で取得する環境を作るのが指導者にとって必要なことだと思っております。

『見る→考える→判断する→行動する』『見る』ということが基本になると思います。 若いお父さんコーチの方々の指導を見ていると、足技やサッカー的な技術を教える機会は非常に多いのですが、この『見る』ということを教えていることは非常に少ないなあと思っています。
学校のグラウンドにある朝礼台や校舎の非常階段など、グラウンドを俯瞰で見ることができる場所に行って、ゲーム形式の練習を見てみてください。チームの子の頭の向きだけ見ているとすごく面白いのは、多くの子はボールに向いているだけで周囲を見るために回りを見るということをしてはいないのだと思います。 ということは、どんなに戦術的なことを指導したり、教えたりしていても、ピンとこなかったり、教えた内容に対して反応できていないということが多いのだと思います。
最近、私は試合の時、試合形式の練習のときには子供たちの頭の向きだけを見ています。 ディフェンスが上がる時、下がる時、周辺を確認しながら動いているか、ポジションを決める時に後ろに人がいないかどうか確認をしてから守りについているかなど、ホントに一瞬です、その一瞬で見ることができるかどうかで、次の行動が大きく変わり、全体的なゲームの動きに大きな影響を与えることがあります。 
一人一人の気づきはゲームを大きく変えることになる。 何度も何度も繰り返し、そのことを伝えることでわかってくれる子もでてきます。 まあ、1回や2回でわかることではなく、事につけ何度でもいつでも言わなくてはならないことなのかもしれません。
待てる大人になることも大切です。

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コメント 1

えどもん

ryuji0813さん
nobuffonさん 
nice!をありがとうございます。
by えどもん (2013-03-13 13:43) 

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