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Bagunca⑨『適材適所』 [メッセージ]

『無数にあるシステムそれ自体を語ることに、いったいどんな意味があるというのか。大切なことは、まずどういう選手がいるか把握すること。個性を生かすシステムでなければ意味がない。システムが人間の上に君臨することは許されないのだ。』 オシムさんの言葉です。

街の少年団的サッカークラブで、いろいろと考えさせられることがあります。
まず、クラブでサッカーの戦術などの形を固定しようとすると無理が出てくることと、なかなか毎年同じようなレベルを保っていくということは難しい状況にある... ということを理解していない人が多いような気がします。
一時、ぐぐーーんと無理をするか、チャンスがめぐってきて数年間たとえば東京でいうと都大会などの中央大会まで進出するようなチーム作りをすることはできても、セレクションもなく来る者拒まずのボランテイアコーチにより地域の少年団的なチームが常勝を保持することはなかなかできません。
地域のクラブも勝手なところがあり、春になって新入生を迎え入れる時には、経験がなくても、運動が得意ではなくてもサッカー好きならいいですよ!と言いながらも、結果がでないと『なんだ、お前らはチームの伝統に泥を塗るのか!』的になってしまったりします。
個性を考えるということを、出来がいい子の将来を考えると勘違いしている方もいるようです。
この子はできがいいというか、他の子に比べて1つ頭がでている..と感じると、その子を中心にチームやフォーメーションを作ろうとします。 今、私が所属しているクラブはできる限り、誰かのチームにということがないようなチームを意識します。 その年代やその時代の構成で手段は変わっていますが、少数の子、あるいは一人の子が目立つようなチーム構成にはしません。 そうすると他の子が伸びないし疲弊してしまいます。 ときにはサッカーが嫌いになってしまいます。 周辺の子は引き立て役だということが分かってきます。 中学に進学するときに、できのいい子はクラブチームへ行きますが、引き立て役の子はサッカー以外の部活を選択することとなります。 もうサッカーはいいや...ということです。
まあ、このようなことが起こる地域の少年団クラブは多いのではないでしょうか? まあ、私の場合には、できるだけ多くの子がいつまでもサッカー好きでいてほしいなぁというところを考えています。
子供達の個性を見てあげる、適材適所を考えるということは。すごく大事なことだと思います。
小学生の時にT吉のチームに4年生の終わりで参加してきた子がいます。 足ははやかった、でも4年生の終わりに参加したということでボールさばきなどは他の子供たちから見るとやや劣っている子がいました。 でも毎週練習にくるなどサッカーが好きなのかな?と思い見ていました。
『足早いからさ、サイドバックとかやるときっといいプレイできると思うよ』みたいな話をしていました。 私はあまりベンチに入ることはなかったし、6年生の時にヘッドコーチになってからもベンチに入れなかったのでその子を思いっきりサイドバックで使うことはできませんでした。
しかし、中学に行ってもその子は部活でサッカーを選び、最近サイドバックでT吉と同じピッチにたっています。 中学へ行ってもサッカーを続けて、途中交代でピッチに立つことが多いのですが、サイドバックで試合に出てくる、その子を見ると、なんがかうれしくなります。
腐らずに、ここまでサッカーを続けてくれたこと、そしてサイドバックのポジションでピッチにたっていること。 過去の私がその子の未来に関われたことが楽しくなります。
すごく面白い光景に時々であります。 上がれるサイドバックがいないのに4バックにしていたり、切り込めるサイド要員がいないのにサイド攻撃型のチームを熱望したり...。 もっと子供達の様子や個性を見ればいいのに。。。と思うのです。
そんなことを思っていると、まあ少年団的なクラブでは毎年、チームのレベルや形が変わっていってもおかしくありません。 以前全国レベルのチームの監督が、『うちは毎年チームカラーというか、形が変わります。来年は来年の子供達を見てから考えますので、またこの大会の全国大会まで進めるかどうかわかりません』という談話を発表していましたが、その通りだと思います。
セレクションもないようなチームが、監督やコーチの考えでベストな形のチームは作れないでしょうね。
指導者になって、2年目の時のこのBlogにこんなこと書いていました。

ある本を読んでいて、チーム作りは「盆栽」に似ているということが書いてありました。
枝振りを見て、どの枝を伸ばすのかを決めて必要ない枝は早いうちに切り落としていく…。私のチームに部員としては、いらない枝はありません。でもチームのメンバーの技術やチームとしてのまとまりに関しては、いらない枝もあるかもしれません。それは切り落としていかないといけないかと思います。たとえば「勝利至上主義」なんて枝は私のチームにはいらないでしょうね。 「子供を考えずに大人の思い通りにしていく」というような枝も早いうちに伐採しないといけない枝かもしれません。

今でも、この思いは変わっていません。
2年目くらいから、私は指導者として浮いた気持ではなくなってきたのかもしれません。

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えどもん

お茶屋さん nice!をありがとうございます。
by えどもん (2013-03-03 21:38) 

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